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サンプリング音と原音

 最近、昔のレコードを球アンプで聞いている。名盤と言われる ビートルズ 「レットイットビー」「アビーロード」 等。決して今のレコーディング技術からいえば「良い音」とは言えないだろう。  当時の録音方式も、マルチはアンペックス8トラックレコーダー。エフェクトも、鉄板や2トラレコーダーを利用した、当然オールアナログ方式。 でも、今だにこれ以上の名盤はないと言われている。 んー 長時間聞いていても疲れない。 テープヒスノイズも 聞こえるのは最初だけで、すぐに音楽の中に溶け込んでいってしまう。 最近のCDってノイズもないし、下たら上まで常にフルレベルだもんなー。ベースでもシンセ音でも細かいディテールまではっきり出ていて、全ての音が粒立って耳に入ってくる。 ボイスレンジも広い。 が、長時間聞いていると、何故か耳がキンキンしてくる感じ。
 自然界には無音の空間って無いらしい。どんなに静かだと思っても、虫の音、風の音、川のせせらぎ、等々、いろんな音が空気がある限り、耳に入ってくる。 都会でいえば、車の音、電車の音、エアコン、冷蔵庫等、電気製品の音。 皆さんも、どんなに静かだなと思っていても、空調が止まった瞬間、その音の存在に気づき、何か違和感を感じた事ってあるんじゃないかな。 (全くの無音状態って不安な感じがするよね)  テープヒスノイズや、ピークレベルの飽和状態も、電子音のカドを丸めて、同時に重なりあう楽器音をまろやかにミックスしてくれる、ごく自然な効果のように思える。 
 サンプリング音やシンセ音で作業をしていると、だんだん耳が疲れてきて音程が合っているのかどうか判らなくなってくる事がよくある。そんな時、私は生音のアコースティックギターや、エレピの音を使ってみる。 すると 何故か音程が良く聞き取れるようになるから不思議。サンプリング音はどんなに細かく割っても、所詮は波形を「01」のデジタルで記録してそれを組み立て直した音。人間の「耳」の錯覚を利用した、映像でいえば、フィルムやビデオフレームと同じなんじゃないかな。  人間の視覚や聴覚 「脳も含め」って、とても高度な能力を持っていると思う。 ビデオでも、1/30秒フレームの中に入れたメッセージや、音楽の中に全く聞こえない程度のレベルで記録したメッセージを 「サブリミナル効果」 として記憶していたりする。 たとえば、1曲中 約200回は打たれるスネアの音。これも、どれ1つとっても 同じ音はない事を聴覚は判断できる。 ちなみに、Lchに1つのスネアの音、全く同じタイミングで Rchにもう1つのスネアの音、 これを同時に聞いてみよう。 2つ別々に聞こえる。 もし同じ音を L R に振り分けて聞いたら、当然、センターに1つの音として聞こえるよね。 また、同じ3コーラス構成の曲でも、1コーラスを録り それを3回レコーダーでコピーしたテイクと、同じ3コーラスを全て演奏したテイクとでは、何故か不思議と印象が違う。 「人間の聴覚の能力って 想像以上に優れているんだなー。」 デジタルの音や、ビデオ映像の中で仕事をしている私たち。せめてオフの時くらいデジタルサウンドから放れ、アナログの音や自然界の音を聞いて、「耳バケーション」とりたいですね。

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2007年09月12日 15:07に投稿されたエントリーのページです。

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